海底の「地下世界」で発見、火山洞窟に豊かな生態系 新研究

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東太平洋海嶺で見つかったワームチューブの大きなコロニー/ROV SuBastian/Schmidt Ocean Institute

東太平洋海嶺で見つかったワームチューブの大きなコロニー/ROV SuBastian/Schmidt Ocean Institute

研究の共著者であるサビーネ・ゴルナー氏は「そのため、チューブワームの幼虫は温かい噴出孔の流体とともに地殻の亀裂を移動し、下から表面の噴出孔に定着できると仮定した」と述べた。

研究の主任著者であるモニカ・ブライト氏は、深さ2515メートルの海底にメッシュ状の箱を設置し、地殻の亀裂からサンプルを採取するという実験を行った。

研究チームは遠隔操作探査機を使用し、海底の岩に小さな穴を開け、持ち上げた。探査機のアームが火山地殻の小さな塊をひっくり返すと、24度の温暖な水で満たされた熱水噴出孔の下の空洞が現われ、チューブワームの幼虫と成虫、巻き貝などの移動性生物、化学合成細菌の存在が明らかになった。

太陽光が届かない海底では、化学合成細菌は太陽光の代わりに化学反応を利用して糖を生成する。噴出孔の周りに群生する他の生物はこれを使って生命を維持する。

ブライト氏は「噴出孔の活発な生息地が二つ存在する。表面上と表面下の噴出孔生物は、下からの噴出孔流体と上からの海水中の酸素に依存して一体となって繁栄している」と指摘する。

海洋生物学者のアレックス・ロジャーズ氏は、これまで知られていなかったこの海底下生息地での生命の発見は、科学者が海の深部や海底で記録してきたたよりもはるかに多くの生命体が存在する可能性を示唆していると述べた。同氏はこの新しい研究には関わっていない。

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