「インディ・ジョーンズ」ロケ地に秘密の墓、宝物殿の地下で驚きの発見

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ペトラの新たに発見された墓を調査する研究チーム/Discovery’s Expedition Unknown

ペトラの新たに発見された墓を調査する研究チーム/Discovery’s Expedition Unknown

今回見つかった工芸品の中には器が幾つかあり、聖杯に似た形の陶器の杯を握りしめた人骨もあった。「まさに歴史が芸術を模倣する素晴らしい瞬間だった」とゲイツ氏は話す。

工芸品の保存状態は極めて良好だった。一方、人骨の方は予想以上にもろくなっていた。ペトラの季節的な洪水や、墓を囲む多孔質の砂岩に閉じ込められた湿気などが原因だったと思われる。

クリースマン氏によると、ペトラで過去数十年の間に発掘された墓のうち、埋葬品が手つかずの状態で見つかったのはごく少数にすぎない。墓が荒らされたのはほとんどの場合、砂漠の旅行者が日陰や安全な場所を求めた結果だった。

20年前にヨルダン考古省の専門家がエル・ハズネの左側の地下で発見した2つの墓からは、人骨の一部が出土した。しかしデータが公表されていないため、数ははっきりしない。

「古代の人と場所についてもっと多くのことを知る手がかりが見つかればと思っている。その意味で人骨は非常に貴重だ。この墓に埋葬された人物は関節がつながっている。つまり、骨がひっかき回されたり動かされたりしていない。これはものすごく珍しい」(クリースマン氏)

古代ナバテア王国の謎

ナバテア王国の埋葬習慣は今も謎に包まれている。クリースマン氏によれば、ナバテア人の社会は平等主義的で、王は他の文明の指導者よりも下層階級とのつながりが深いと文献には記されている。これまでに見つかった墓から判断すると、王族と平民の埋葬に大きな違いはないと思われる。従って、今回エル・ハズネの下で発見された墓が王族のものなのかどうか判断するのは難しい。

ゲイツ氏によると、ナバテア人の墓では遺体を包む衣類やネックレスなどの飾りが見つかるのが一般的だが、そうした布や宝飾品は墓に染み込んだ湿気や洪水のために失われた可能性がある。

研究チームは人骨の調査を続けることで、生前はどんな人物だったのかを探りたい意向だ。骨格や工芸品の年代を特定し、抽出したDNAを使って12人の関係を調べる予定。食生活や肉体労働をしていたかどうかも分析できるかもしれないとクリースマン氏は話し、「きっとかなりの重要人物に違いない。これほどの一等地、つまりこの街の正面玄関に埋葬されていたのだから。彼らが誰なのかを知ることは、エル・ハズネの物語を解き明かす手がかりになるだろう」と期待を寄せている。

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