半世紀ぶり月着陸のNASA有人飛行計画、また延期に

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宇宙船「オリオン」を搭載したNASAのスペース・ローンチ・システム(SLS)=2022年8月26日、米フロリダ州のケネディ宇宙センター/Eric Bordelon/NASA

宇宙船「オリオン」を搭載したNASAのスペース・ローンチ・システム(SLS)=2022年8月26日、米フロリダ州のケネディ宇宙センター/Eric Bordelon/NASA

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は5日、人類を約半世紀ぶりに月へ送り込む「アルテミス計画」について、これまで予定していた2026年から、27年半ば以降に延期すると発表した。

25年9月に宇宙飛行士を乗せた宇宙船が月の回りを飛行する予定だったパスファインダー計画も、26年4月以降に延期される。

延期の一因は、アルテミス計画で使用する有人宇宙船「オリオン」の問題にある。NASAによると、大気圏突入の際にオリオンを守る熱シールドが、22年の無人飛行の際に焼け焦げて摩滅する予想外の問題に見舞われていた。

NASAのビル・ネルソン長官は5日、宇宙飛行士を月から無事に帰還させるために集中的なテストを行っていると説明。熱シールドの問題の根本原因は突き止めたとしている。

パム・メルロイ副長官によると、問題は、宇宙から戻ったオリオンを地球の大気圏に突入させる方法に関係している。オリオンは降下速度を減速させるため、水面に石を投げて跳ねさせる「水切り」のような形で大気圏に突入する。

しかし大気圏に入ったり出たりしたことで、熱シールドの外装に熱がたまって予想外の摩耗が起きた。

NASAは大気圏での「水切り」に費やす時間を短縮するなど、「軌道修正」を行ってこの問題に対応する計画。

アルテミス計画はこれまで何度も延期が発表されていた。ドナルド・トランプ次期大統領の下で、さらなるスケジュールの変更を強いられる可能性もある。

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