世界で最も奇妙な形の国旗、謎に満ちた正確な起源とは

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ネパール対インドの男子サッカーの親善試合前、顔にネパール国旗をペイントしてもらっている=2021年/Subash Shrestha/Shutterstock

ネパール対インドの男子サッカーの親善試合前、顔にネパール国旗をペイントしてもらっている=2021年/Subash Shrestha/Shutterstock

歴史を紡ぐ

ネパール国旗の最も古い描写の一つは、1800年代半ばにネパールに住んでいた、英国の医師で芸術家のヘンリー・アンブローズ・オールドフィールドによるスケッチだ。英国の記者で旅行作家のパーシバル・ランドンも著書「ネパール」のなかで国旗について触れている。

ランドンが撮影した国旗の写真は白黒だが、注釈で、国旗の縁取りが青ではなく緑であることを明確にしている。

ランドンが描いたものも含め、以前の国旗では、太陽と月に人間の顔が描かれていた。

ネパールで民主主義が確立される以前は、一般のネパール人のほとんどは自宅で国旗を掲揚することを禁止されていた。

ルパケティさんによれば、国旗の掲揚は政府施設の敷地内でのみ可能だった。「形や大きさだけでなく、いつ、どのように、誰が国旗を掲揚できるのかについて、非常に厳格な指針があったことは間違いない。しかし、民主的な実験が始まると、それは徐々に変わり始めた」。現在では、国旗はどこででもみられるという。

国旗マニアのなかで、ネパールの国旗は人気がある。北米旗章学協会(NAVA)のテッド・ケイさんによれば、ネパール国旗の歴史や形状については、よく会話にのぼるという。

ケイさんは「地図と国旗には、文化的かつ地理的に興味深い重なりがある」と指摘。残りのアジアの国々は、国旗は長方形であるべきだという植民地時代の見解に屈したが、ネパールはこれに抵抗し、そのことはアジアの歴史的な旗とつながっているとの見方を示す。

雑学好きは、ネパールの国旗が四角形ではないことに引かれるかもしれない。しかし、ネパール国旗は数学者の研究対象ともなっている。

マヘンドラ国王は1962年、数学者に対し、国旗の標準化に使う大きさと形状の正確な仕様を作成するよう依頼した。これらの仕様は憲法に明記されている。

ネパールの珍しい国旗の形は国際的なイベントでも課題となっている。オリンピック(五輪)では、すべての国旗を2対3の比率で表示しなければならないという規則があるため、一部の国旗は奇妙に引きのばされて見える場合がある。

五輪の過去の大会では、ネパールの国旗を白い長方形の背景にくっつけることで標準化しようと試みたこともあったが、国際オリンピック委員会(IOC)が、ネパールの国旗はそのままでいいとの決定を下した。

ネパールは再び、この規則の誇り高い例外だ。

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