最古の現生鳥類の化石、南極で発見
また従来のベガビスの化石では完全な頭骨が見つかっていなかったと、論文の共著者でオハイオ大学の解剖学教授、パトリック・オコーナー氏は指摘する。頭骨は歯の欠如や拡大した前上顎骨(ぜんじょうがくこつ)といった現生鳥類に最も顕著な特徴が確認できる部位だという。
論文によると当該の頭骨は、2011年に南極半島で行った発掘で、6840万~6920万年前の岩石から見つかった。CTスキャンを用いて立体的に再現した脳の形も、現生鳥類の特徴を備えたものだったという。
これらの特徴を総合すると、ベガビスは現在1万1000種で構成される現生鳥類の最古の部類に位置づけられると、オコーナー氏は述べた。同氏によると6900万年前の南極は現在と異なり森林で覆われていた。同氏らのモデリングの多くに基づけば、当時の気候帯は冷涼な温帯に区分されるという。
トーレス氏によれば、ベガビスの化石が発掘された近くからは、恐竜絶滅直後の年代に属する鳥類の化石も見つかっており、一部の動物がどのように隕石落下を生き延びたのかについて古生物学上の調査が可能になる見通しだという。