小惑星ベンヌが地球にもたらす「衝突の冬」、157年後にわずかな可能性
NASA探査機、小惑星ベンヌへの着陸に成功
(CNN) 地球近傍小惑星「ベンヌ」がもしも地球に衝突すれば、何年も寒さが続く「衝突の冬」が世界を覆う可能性がある――。そんな予測が5日の科学誌サイエンス・アドバンシスに発表された。
専門家の推計によると、ベンヌは2181年9月、2700分の1(0.037%)の確率で、地球に衝突する可能性がある。
ベンヌの直径は約500メートル。およそ6600万年前に地球に衝突して恐竜を絶滅させた小惑星の10キロメートルと比べると、はるかに小さい。
韓国・釜山国立大学の研究チームは、ごくわずかであってもベンヌが地球に衝突する可能性を想定して、地球環境や陸上および海洋の生態系に与え得る影響などを予測した。
ベンヌのような中型の小惑星は、およそ10万~20万年ごとに地球に衝突している。
もし衝突した場合、世界が冬に覆われて降雨量が減り、地球規模の寒冷状態が何年も続くかもしれない。初期の人類は、過去の小惑星衝突の影響で、そうした状況の中で生活していた可能性がある。
地球的な連鎖反応
研究チームはベンヌのような小惑星が地球に衝突したと想定し、主に1億~4億トンが大気圏に突入した場合に起こり得るさまざまな筋書きを予測した。
その結果、衝突から3~4年の間に地球の大気や気候が激しくかき乱されるという結果が出た。
まず、衝突によって巨大なクレーターが形成され、衝突地点周辺の空中に物質が噴き上げられる。強烈な衝撃波と地震も発生。大量のエアロゾルとガスが大気中に放出され、地球の気候を長期にわたって変動させる。