6600万年前の動物の嘔吐物、化石で見つかる 食物連鎖の手掛かりに デンマーク
(CNN) アマチュアの化石発掘者がこのほど、6600万年前に遡(さかのぼ)る動物の嘔吐(おうと)物をデンマークの海岸で発見した。
ピーター・ベニンケさんは、デンマーク東部のステウンス・クリントで「白亜の中で奇妙に小さく集まったユリの断片」を発見した。地元の博物館が29日、CNNに送った声明で明らかにした。見つかった遺物は今後同館で展示される予定。
ベニンケさんは化石を博物館へ持ち込んだ。化石はそこでオランダ出身のユリの専門家によって洗浄、分析された。
その結果、丸い塊の中には少なくとも2種類のユリが含まれていることが分かった。ユリは動物が食べたものだが、消化されずに吐き戻された公算が大きい。
こうした嘔吐物の化石は太古の生態系を再構築する上で極めて重要と見なされていると、声明は述べている。どの生き物がどの動物に食べられていたかについて、貴重な情報を提供するからだという。
上記の博物館の学芸員を務めるイェスパー・ミラン氏は化石を「本当に素晴らしい発見」と形容。「ユリは特段栄養価の高い食物ではない」としつつ、「恐らく魚の一種だろうが、6600万年前に白亜紀の海の底に生えていたユリを食べる動物がいた」と述べた。魚はその後、ユリの固い部分を吐き出したとみられる。
同氏は化石の発見により、白亜紀の食物連鎖に関する重要かつ新たな知見が得られると付け加えた。