メスに毒を盛るオスのタコ、事後に食べられないよう安全に交尾
「性的共食い」はタコのような頭足類や、クモ、カマキリなどでもよく見られる。メスは「最後のおやつ」として交尾の相手を食べることで、産卵や孵化(ふか)に必要なエネルギーを蓄えるという。
タコの中にはオスの交接腕(こうせつわん)が進化して長くなり、交尾の際にメスとの安全な距離を保って捕食を免れる種もある。しかしヒョウモンダコの場合、交接腕が比較的短いことからメスに密着しなければならない。
チョン氏はヒョウモンダコを撮影して交尾の様子を観察した。「交尾するにはオスがメスにマウンティングするしかない」といい、オスは背後からメスに近づき、大動脈にテトロドトキシンを仕込める部位にかみつこうとする。
毒を仕込まれたメスは1時間ほど動けなくなって呼吸が止まり、その間にオスが安全に交尾する。