バチカン、噴水を全て停止 干ばつで深刻な水不足
(CNN) ローマ法王庁は27日までに、ローマ市と周辺地域での干ばつが深刻なためバチカン市内のサンピエトロ広場やバチカン庭園など約100カ所にある噴水を全て止める緊急措置を講じると公式ウェブサイト上で明らかにした。
この種の対策は初めて。止水が始まるのは粉飾用や飲料用の噴水も含む。
イタリア国内は高温の乾燥気候と深刻な水不足に襲われている。CNNの取材に応じたローマの水道供給管理企業によると、同市では既に2500の飲料用噴水が止められた。最小限の措置として85の噴水の流水は保つ努力をしており、毎日止水する噴水の数は天気と干ばつの程度次第の状況となっている。
イタリア地元紙はローマが位置するラツィオ州当局者の話として、ローマの住民約300万人の約半分を対象にした給水制限の措置を検討していると伝えた。ラツィオ州はローマから約32キロ離れ、同市への重要な水供給源であるブラッチャーノ湖での取水の中止も予定している。
イタリアが直面している乾燥気候は過去数十年間で最悪規模とされ、同国の農業ロビー団体によると全国の農地の3分の2がこの異常気候の影響を受けている。地方部での経済的損失は20億ユーロ(約2600億円)以上に達したとし、森林火災も起き、環境面でも悪影響を及ぼしていると報告した。