米軍主導の有志連合、国境警備隊の創設を計画 シリア
ワシントン(CNN) 過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の掃討作戦を続ける米軍主導の有志連合は18日までに、シリアの国境付近の治安維持を図るため少数民族クルド人やアラブ系勢力などから成る国境警備隊を創設する計画を明らかにした。
有志連合の報道担当を務めるディロン米陸軍大佐はCNNに、国境警備隊創設でクルド人勢力らが加わる「シリア民主軍」と協力しているとの声明を発表。警備隊の規模は最終的に3万人規模にとし、現在は約230人に最初の訓練を施していると述べた。
同民主軍の兵力は5万人超。ISIS掃討での米軍の主要な支援組織となっている。シリア内に展開する米軍は約2000人とされる。
ディロン大佐は、国境警備隊はISISの永続的な敗北を目指す治安維持に注力し、税関や人間の移動など他の国境業務は任務外と主張した。
国境警備隊案に対しシリア政府や国内に分離独立なども求めるクルド人問題を抱えるトルコ政府は強く反発。シリアの国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、同国外務省当局者は政権軍は国内から米国の存在の排除を目指していると述べた。
トルコの国営アナトリア通信によると、エルドアン同国大統領は米国はシリアとトルコの国境線上に「テロの軍隊」の存在を画策していると非難した。シリア、トルコ両国は国境警備隊の創設はシリア民主軍の地域統治を強化させると懸念している。