金正恩氏、核保有の先に「朝鮮半島統一」 CIA長官が分析
ワシントン(CNN) 米中央情報局(CIA)のポンペオ長官は23日、シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)」で講演し、米諜報(ちょうほう)コミュニティーは依然として北朝鮮の指導者である金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長について「合理的な行為者」とみているが、核兵器の開発については体制の維持だけではなく、朝鮮半島の統一も視野に入れているとの見方を示した。
ポンペオ長官は、「我々は、金氏がこうした道具類を自己防衛を超えて利用すると信じている」と指摘。金委員長が、自身の体制の下で朝鮮半島を再統一する目的に向けて、核と通常戦力の両方を使うための準備を進める可能性が高いという。
ポンペオ長官はまた、金委員長が、ミサイル開発について、たった一度のテストの成功に安住することはないだろうと指摘。次の動きとしては、兵力の拡充や、同時に複数の場所から都市へミサイルを発射する能力の開発に向かうとの見通しを示した。長官は、「我々の使命は、金氏がそうすることが出来るようになる日を出来る限り遅らせることだ」と述べた。
ポンペオ長官は、米国が全面的な紛争を引き起こすことなく限定的な軍事攻撃を実施できるかどうかについては返答を避けた。
ポンペオ長官は、米諜報機関と米軍は、非核化という目標の達成に向けて外交的な取り組みが失敗した場合に備えて、トランプ米大統領のために選択肢を準備し続ける必要があるとも述べた。
ホワイトハウスは、北朝鮮との交渉について、全ての選択肢が検討されているとの姿勢を維持している。トランプ政権の安全保障の顧問の多くは、米国や同盟国に対する喫緊の脅威に対抗するために軍事的な選択肢は確保されるべきだとの考えを示している。