アームストロング氏、全タイトル剥奪と永久追放の処分
(CNN) 元自転車ロードレース選手のランス・アームストロング氏が、ツール・ド・フランス7連覇を含む全タイトル剥奪の危機に直面している。
アームストロング氏は23日、同氏のドーピングを告発した米反ドーピング機関(USADA)の調査プロセスが一方的で公平を欠くとし、調査への参加を拒否する声明を発表。アームストロング氏はこれまでドーピング容疑を一貫して否定してきたが、USADAの同氏に対するドーピング容疑については争わない意向を示した。
これを受け、USADAは24日、アームストロング氏に対し、自転車競技からの永久追放と1998年以降の全タイトルの剥奪という処分を科した。しかし、今後、複数の国際機関がUSADAの決定を再検討し、場合によっては決定について上訴する可能性もある。
国際自転車競技連合(UCI)は、この件の管轄権はUCIにあるとし、USADAの動きに異議を唱えてきた。米オリンピック委員会公認の自転車競技団体、米自転車連盟もUCIの立場を支持している。
世界反ドーピング機関(WADA)のジョン・フェイヒー委員長は、アームストロング氏がドーピング疑惑について争わない決断を下したことで、容疑の検証が行われないことは誠に遺憾とした上で、容疑には信頼性があると語った。
USADAは、運動能力向上薬の使用、所持、不法取引、譲渡の他、ドーピング違反の隠蔽(いんぺい)容疑でアームストロング氏を告発していた。USADAは、アームストロング氏がキャリア全般を通じてステロイドを使用していたと主張しており、元チームメートから容疑を裏付ける証言を得ているとしているが、証拠を提供したチームメートの氏名は明かしていない。