中東で「口ひげ植毛手術」ブーム、立派なひげで男らしさを
(CNN) 立派な口ひげを生やすことが男らしさの象徴とみなされる中東で、口ひげの植毛手術を受ける男性が増えている。
トルコの整形外科医によると、口ひげの植毛手術はここ数年でブームとなり、この医師は月間50~60件の手術をこなす。患者は医療ツアーでトルコを訪れる中東の男性が大半を占め、一般的に、大人らしさと威厳をアピールできる濃い口ひげを希望するという。
「童顔の男性は、大人顔に見せるために(口ひげは)必須であり、その方がはくが付くと考える」と同医師は話す。
フランスのパリで開業する外科医も、過去5年で口ひげ植毛手術の施術数が増えたと語る。手術を受けるためにアラブ首長国連邦(UAE)やイラン、レバノン、トルコからフランスにやって来る患者がほとんどで、「男らしさをアピールしたいという願望がますます強まっている印象だ」という。
両医師とも、毛髪が密集している部分から口ひげ部分に移植する術式を採用。患者は30~50歳が中心で、料金は5500ユーロ(約60万円)ほど。局所麻酔による手術で翌日には帰国でき、半年後にはひげが生えそろうという。
患者の中には人気歌手など有名人の名を挙げて同じような口ひげにして欲しいと望む人もいるほか、有権者受けを狙って手術を受ける政治家もいる。
トルコでは、口ひげの形が政治的意味合いを帯びることもある。ある論文によれば、両端が下がったひげは保守性を表す一方で、左派系はスターリンのようなひげを好み、「宗教政治家」のひげは手入れが行き届いて清潔さを感じさせるという。