イラン、「アルゴ」対抗の映画製作へ 史実ゆがめると非難
(CNN) イラン政府系のメヘル通信は17日までに、同国の首都テヘランで1979年に起きた米大使館占拠事件に関する映画「ゼネラル・スタッフ」の製作資金を政府が提供すると伝えた。
映画はイランの革命勢力が米国人人質20人を自発的に解放したことを題材にする。イランの映画製作行政当局責任者の発言を引用し、事件を同じく扱いながらも事実とはかけ離れた米映画「アルゴ」に対抗する適切な作品になるとも報じた。
映画の撮影は来年開始の予定で、事件の目撃者の証言などをなぞる。製作資金はイスラム教教理など広める団体と関係がある芸術行政当局が負担する。
ベン・アフレック監督・主演の「アルゴ」は事件で米中央情報局(CIA)やカナダ政府の協力で館員6人が脱出した「実話」を基にしたものとされ、13日に発表されたゴールデン・グローブ賞で作品賞や監督賞を受賞した。米アカデミー賞にもノミネートされている。
しかし、イラン当局は同映画が昨年公開された後に反イラン的などとの批判を展開。国営プレスTVは13日、電子版で映画を非難する論評を掲載し、イラン人を感情過多、不合理、狂気、邪悪な民族として描く半面、CIA要員を英雄的な愛国主義者として扱っていると反発していた。史実が不正確でゆがめているとも批判していた。