カタールでのサッカーW杯に冬季開催案 豪は補償請求の構え
(CNN) サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会を巡り、国際サッカー連盟(FIFA)が暑さへの懸念から冬季開催を検討している問題で、オーストラリアサッカー協会は17日、FIFAは開催時期を変更した場合、その影響による損失を補償すべきだと主張した。
カタールは10年末の選考で、日本やオーストラリア、韓国、米国を下し、22年大会の開催地に選ばれた。しかしFIFAのブラッター会長は最近、夏の気温が50度にも達するカタールの気候について「選手の健康や試合の質への悪影響」が懸念されると指摘。「スタジアムを冷やすことはできても、国全体の気温を下げることはできない」と述べ、開催時期を冬に変更する可能性を示唆した。FIFAは10月3日の理事会でこの案を検討する。
オーストラリアサッカー協会のフランク・ローリー会長は、ブラッター会長への書簡でこの案に反対を表明したという。
ローリー会長は、オーストラリアがW杯誘致のために多額の予算を投じたことを強調。「開催地決定以降は選考過程への疑念が負け惜しみと解釈されないよう気を遣ってきたが、変更の見通しが強まっていることを受けてわれわれの意見を述べることにした」と語った。
そのうえで、開催時期が変更されればオーストラリアのプロサッカーリーグのシーズンと重なり、前後の年にも大きな影響が及ぶと訴えた。
これに対してFIFAは同日、日程を変更しても補償責任は生じないとの見解を示した。FIFA側は、オーストラリアを含む各候補国は選考に当たり、W杯の開催形式や日程の最終決定をFIFAに委ねることに同意したはずだと主張している。
この問題では先月、英プレミアリーグのスクダモア最高責任者から、FIFAはカタール大会を冬に実施することより、むしろ開催地の変更を検討するべきだとの意見も上がっていた。