サーキットから氷上へ、メダル獲得にF1チームも「参戦」 ソチ五輪
ハーグローブ氏も「フェラーリへのライバル意識は確かにある。競争は望むところで、刺激になる」と話す。カナダ・モントリオールで育った同氏は無類の冬スポーツ好きであり、今回のプロジェクトには適任だ。スポーツファンの競争意識を高く買っており、採用面接でもスポーツが好きかどうか質問するという。
もっとも、MATの五輪プロジェクトに対しては懐疑的な向きもある。
MATは選手の強化などを担う公的機関「UKスポーツ」の資金援助を受けており、そのデータも広く公開されることになる。当然、技術流出を恐れて全面提携をためらう選手もいる。
しかし、ハーグローブ氏は批判を意に介さない。MATとの技術提携に難色を示す選手には、技術以外の側面から支援すれば良いという。また、五輪への技術協力の姿勢を巡って議論が活性化するのも、好ましい事態だと話す。
スポーツ統計を専門に手掛けるインフォストラーダ社の予想によると、ソチ五輪での英国の獲得メダル数は、過去最高の5個となる見通し。もしこの予想が現実化すれば、少なからぬ部分はMATとF1界の功績といえるだろう。