W杯開催地の選考、人権問題をより重視 FIFA
(CNN) 国際サッカー連盟(FIFA)のテオ・ツバンツィガー理事は16日までに、将来のワールドカップ(W杯)本大会の開催地選考で立候補国の人権保護問題をこれまでより重要な参考材料にするとの考えを示した。
ベルギー・ブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)の欧州議会の人権問題パネル(委員団)の会合で述べた。本大会を2022年に主催する中東カタールの試合会場建設に従事する移民労働者の労働環境などが問題になっていることを踏まえた発言。
FIFAのブラッター会長は、カタールのW杯会場建設に携わる移民労働者の劣悪な生活環境などを非難する国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの報告書などを受け、ツバンツィガー理事に調査を命じていた。
カタールのW杯組織委員会は批判の高まりを受け今月11日、移民労働者の賃金水準や宿舎の環境を見直すことを表明。会場建設現場の定期検査も約束した。11日の対策発表はFIFAの期限付きの要求に応じたものともなっている。
カタールの今回の対応については不十分との批判もあるが、FIFAの報道担当者は最初の重要な1歩と一応評価している。
ツバンツィガー理事は欧州議会で、カタールでのW杯開催を決めた際、同国の人権問題が十分考慮されなかったことも認めた。これを反省材料にし、今後の開催地選考の作業では立候補国の人権擁護の状況により多くの配慮を加える方針を示した。