W杯がいよいよ開幕、地元住民に募る不満
(CNN) サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会が現地時間の12日に開幕する。開催国ブラジルがクロアチアと対戦するのを皮切りに、出場32カ国による熱戦の舞台が幕を開ける。
ブラジルが優勝した1970年のW杯メキシコ大会。この時のブラジル代表の美しい戦いぶりのことを、ブラジルの人々は「フッチボウ・アルチ(芸術的なサッカー)」と呼んだ。だがそれも昔の話。その後サッカーもブラジルも変わった。
1994年の米国大会で優勝したときは、よりタフなプレーが特徴で、「パワーのサッカー」と呼ばれるようになった。そして、サッカーが今も宗教のような存在のはずのこの国で、人々は少しずつサッカーに背を向けつつある。
「W杯はブラジル人のためのものではない。外国人と国際サッカー連盟(FIFA)の連中のものだ」と露天商の女性(59)はCNNに語った。
W杯開催のために使われた公費は推定で110億ドル(約1兆1000億円)。そしてこの1年、ブラジルではW杯に反対する激しいデモと、それに対する催涙ガスやゴム弾を使った取り締まりが繰り返されてきた。