強化進まぬ中国サッカー代表、まずは競技人口の増加から
同氏は、広州恒大のサッカースクールのようなエリート校ばかりでは不十分であり、欧州的な地域密着型のクラブが草の根レベルで競技人口を増加させていくのが理想だと語る。
シモンズ氏が13年前に地域クラブを発足させた時、クラブでプレーしていたのは外国人の子どもばかりだった。それが現在では、クラブに登録している3000人の子どものうち、60%を中国人が占めるまでになった。
英語教育とサッカーを組み合わせたことが転機となった。
同氏のクラブでは英語でサッカーを教える。教育熱心な親は、サッカーを通して英語を学ばせようとして、子どもをクラブに加入させるようになる。するとさらに、子どもがサッカーの魅力に気づくという好循環だ。親の側でも、一人っ子政策のなか、子どもに協調性を学ばせるという意味で、サッカーを重視するようになった。
バイヤー氏によると、中国サッカー界での目下の話題は、アジアサッカー連盟(AFC)主催のU-16(16歳以下)アジア選手権だ。U-17W杯の出場権を賭けて戦う予定で、「ここから全てがうまくいくだろう」と意気込む。
事はそれほど簡単に運ばないかもしれないが、草の根レベルでのサッカー熱を取り込んでいくことができれば、中国代表が再びW杯の舞台に戻ってくる日もそう遠くはないのかもしれない。