コーヒーカップに東京の風景描く 豪イラストレーター
ホーガンさんを日本に引き付けたのは、村上隆氏や会田誠氏ら現代美術家たちの魅力だという。
「日本の絵画には平面的な作品が多い。私たち欧米人のように、3次元の幻をつくり出そうともがいたりはしないのだ」とホーガンさん。「実際に日本へ来ると分かる。ここでは風景にも建築にも平坦さが感じられる」という。
今までに、都内の商店や住宅の入り口を正面から描いたシリーズなどを手掛けてきた。都会での生活や旅先の風景を扱った作品が多い。
東京でお気に入りの場所をいくつか挙げてもらった。「表参道は洗練された華やかな街。雑誌に載るファッション写真の多くはここで撮影される」
「銀座は昔ながらのデパートが並び、レトロで優雅な雰囲気がある。少し年齢層が高い。渋谷のスクランブル交差点も好きだが、武蔵小山のような庶民的な街はとても魅力的。そして日本橋のサラリーマンたちは、私のイラストに大きな関心を示してくれる」――そう、ホーガンさんにとってイラストは人と知り合う手段でもあるのだ。