アルジャジーラ・アメリカが放送終了へ 開局から2年半
ニューヨーク(CNNMoney) 中東の衛星テレビ局アルジャジーラの米国向け放送を行うアルジャジーラ・アメリカが、4月いっぱいで閉鎖されることが明らかになった。
閉鎖は13日午後のアルジャジーラ・アメリカの社内会議で突然、発表された。関係者によれば約700人の従業員が職を失うことになるという。
同社のケイト・オブライアン社長は、目に涙を浮かべながら、「この2年半で達成したことは皆の大きなプライドになるだろう」と発言。集まった従業員に解雇手当について説明したという。
アルジャジーラ・アメリカは報道と評論に力を入れてきたが、視聴率は伸び悩んだ。プライムタイムの視聴者数は平均して2~4万人にとどまったという。
原油価格の下落も、閉鎖の要因の1つとみられる。アルジャジーラ・アメリカの親会社は、産油国であるカタール政府が出資するアルジャジーラ・メディア・グループだ。
カタールの首都ドーハにある本社の関係者によれば、同社は原油価格の下落を受けて大幅な(最大1000人の可能性も)人員削減を計画し、アルジャジーラ・アメリカの閉鎖を決めたという。
アルジャジーラ・アメリカは2013年、アル・ゴア元米副大統領らが所有していた米テレビ局、カレントTVをアルジャジーラが買収して発足した。
だが放送開始後は、視聴率の低迷と内紛に悩まされてきた。反ユダヤ主義や性差別の被害に遭ったとして、元従業員2人から裁判も起こされた。
もっともアルジャジーラが米市場から完全撤退するわけではない。アルジャジーラ・アメリカのアンスティ最高経営責任者(CEO)によれば、「既存の国際デジタル(配信)サービスの拡大」が計画されているという。