若手映画監督が描く香港の近未来 希望か絶望か
映画には香港の未来に絶望したようなシーンが多く出てくる。だが、周監督は究極的なメッセージは希望に満ちたものだと主張。「絶望を見て取る観客もいるが、上演後にその目を見て話しかけてみると、香港が抱える問題への解決策を探ろうとする熱意にあふれている」と語る。
伍監督は今回のプロジェクトのために、あらゆる境遇の香港市民の声を聞いた。将来の見通しについて尋ねると、その目には力が宿り、エネルギーに満ちているようだったという。「こうした情熱を捉え、スクリーンに表現することに決めた」と述べる。
監督らはいずれも、映画を通じて人々が行動を起こし、作中の世界が現実のものとなるのを防いでほしいとの思いを口にした。
周監督によれば、香港で政治を話題にする人は多くない。1990年代、英国から中国への主権移譲を控えていたときと同様、多くの人が移住を検討しているという。周監督は「香港に残り抗戦したい、香港を守りたいと考える人がどれだけいるか。人々は故郷を諦めてしまうのか」と問いかけた。