バミューダ諸島はアメリカ杯の波に乗れるか
2003年の大会でニュージーランドは、オークランドのバイアダクト・ハーバーを刷新。数十のバーやレストラン、ホテルが立ち並び年間数十万人の訪問客を引き付けるハブとなった。
2007年大会では、バレンシアの古い港の一部が、バーやレストランを備えた700の係留場所を持つマリーナに生まれ変わった。
バレンシアでは2010年大会も開催されたが、これは、試合の実施方法をめぐる長い法廷闘争の末に2つのシンジケートだけで戦われた大会だった。
2013年大会は前回王者のオラクル・チーム・USAが1勝8敗から逆転でエミレーツ・チーム・ニュージーランドを倒すというスリリングな展開となったが、「AC72」という高価かつ最先端の制式艇が導入されたために挑戦艇は従来の大会よりも大きく減り、わずか3隻だった。
前述の米シンクタンクは、「支出と収入は参加するチームの数に大きく依存する」と結論づけている。
人口わずか6万人規模のバミューダ諸島は外国からの訪問客に大きく依存しそうだ。ここ数年、バミューダ諸島は金融ビジネスからおしゃれな観光地へと変化しつつあり、ボートやクリフジャンピング、ケーブダイビングなどを宣伝している。
初期の兆候は良好だ。
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによれば、バミューダ諸島の経済は2009年から2014年の間に平均して3.3%の縮小を記録したが、2015年には1.5%の成長を見せた。