映画の中の「宇宙人」 姿かたちの変遷をたどる
(CNN) 1979年、SF映画「エイリアン」の宣伝素材の中には、タイトルにもなっている生き物の姿はかけらほども含まれていなかった。
映画ファンは、実際にチケットを買って映画館に入るまでその姿を見ることはできなかったのだった。20世紀フォックスがこの戦略を採用した背景には、観客にエイリアンの外見に心から驚いて欲しいという狙いがあった。
賭けは成功。あれから38年たったが、映画に登場した異星生物のデザインは、SF映画における地球外生命体の描写のあり方の新たな指標となっている。
同シリーズの地球外生命体は5月、最新作「エイリアン・コヴェナント」で観客を再び恐怖に陥れるため戻ってきた。ただ、エイリアンの悪夢のような外見はショッキングと言うにはほど遠い。最近はSF映画ファンでなくても、いわゆる「エイリアン」の姿をそれと見分けることができる。
それでは、さまざまな宇宙人が現在のような姿をしているのはなぜか。20年後の姿とはどのようなものか。以下では映画でおなじみの地球外生命体の一部について、その美術とデザインを見ていく。
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リドリー・スコット監督の映画「エイリアン」で衝撃的なデザインを生み出すのに貢献したのは、アーティストのH・R・ギーガー氏だ。映画の小説版を執筆したアラン・ディーン・フォスター氏はギーガー氏のアートワークについて、「同映画や後続作品の成功にとって不可欠」だったと話す。
テレビシリーズ「スタートレック」では、危険で攻撃的なエイリアンがあらゆる形と大きさを取って現れる。メーキャップアーティストのマイケル・ウエストモア氏は1987~2005年、シリーズ4作にわたり百種類以上のエイリアンを生み出した。