欧米セレブにアラブ風装束、サウジ発のデジタルアートが話題
今もリヤドの会社に勤めながら、オンラインでTシャツやマグカップ、携帯電話ケースなどを売っている。顧客はサウジ国内や近隣湾岸諸国の人々が中心だ。
世界進出も夢見ているが、作品に政治的なメッセージを込めるつもりはないと強調する。
サウジは近年、ビジネスや投資の中心地として目覚ましい変貌(へんぼう)を遂げてきた。そんななかでオサイミさんのような若いアーティストの活躍が目立っている。
女性デジタルアーティストのフィダ・フサインさん(32)もその1人。最近ではアラブ女性の権利を主張して大きな話題を呼んだ音楽ビデオ「Hwages」のクリエーティブ・ディレクターを務めた。
作品を紹介するインスタグラムには5万人以上のフォロワーがいる。白人女性の頭にアラブ諸国の国旗やアラビア文字を飾った作品が多い。
体全体を覆う衣装「ブルカ」とともに宇宙飛行士のヘルメットをかぶった女性を描いたこともある。「サウジの女性たちに、やろうと思えば何でもできるというメッセージを伝えたかった」と話す。
フリーランスでアニメーションや映画の視覚効果を手掛けるアーティスト、アバダラ・ハルティさん(26)は、著名人の肖像をアラブ風にアレンジしたデジタルアート作品を2010年から制作してきた先駆者の一人だ。