セリーナ戦の主審は協会に「裏切られた」 論争受け元審判が見解
(CNN) 全米オープン(OP)女子シングルス決勝でセリーナ・ウィリアムズ選手に相次ぐペナルティーを科した判定が論争となる中、元審判のリチャード・イングス氏は13日までに、この試合で主審を務めたカルロス・ラモス氏がテニス協会から「裏切られた」との見方を示した。
ウィリアムズ選手は記者会見で、自身にペナルティーを科したラモス氏の判定は性差別的だったと主張。女子テニス協会(WTA)などもこうした主張を支持する姿勢を示している。
トップレベルの審判だったリチャード・イングス氏はCNNの取材に、決勝戦後のラモス氏への扱いをみれば「どこの審判でも激怒」しただろうと述べた。
8日の決勝戦が混乱に陥ったのは第2セット。ウィリアムズ選手はコーチの指示を受けていたとして規則違反の警告を受け、ラケットを壊した行為で1ポイントのペナルティーを科された上、ラモス氏に対する暴言で1ゲームを失った。後日には1万7000ドルの罰金も科されている。
イングス氏はラモス氏について「40年間にわたりプロとして審判を務めてきた」と説明。「カルロス・ラモスほど経験豊かで知識豊富かつ有能な審判は他にいない」と述べた。
そのうえで「各種の協会が彼を裏切るようなことがあれば、どこの審判でも激怒する。審判はこれらの協会がサポートしてくれるという安心感を失った」としている。
WTAは性差別があったとするウィリアムズ選手の主張を支持。協会トップは、ウィリアムズ選手が男性であれば対応の寛容さが違っていただろうと述べた。全米テニス協会(USTA)もウィリアムズ選手の主張を支持する姿勢を示している。