伊受刑者、出所を自ら延期 慰問のサッカー選手会いたさに
(CNN) サッカーの元イタリア代表の人気選手だったフランチェスコ・トッティ氏はこのほど、代表チームが刑務所を慰問した際、同氏に会うことを熱望し決められていた出所時期を1週間遅らせた受刑者がいたとの逸話を披露した。
自伝の出版を宣伝するため地元の放送局「RAI」に出演した際に明かした。この若者の男性と出会ったのはイタリア代表チームが2006年のワールドカップ(W杯)ドイツ大会で優勝を果たした直後の時期。
トッティ氏は「この若者は何が何でも私と共に写真に収まることを切望していた」と述懐。「私と! 私と! 私と!」と叫び続けながら規制の中を強引に突き進み、そばに寄ってきて一緒の自撮りを試みていたという。
トッティ氏が、この男性が出所をわざわざ遅らせていたのを知ったのは代表チームが刑務所を去った後、誰かからその理由を教えてもらった時だった。男性はトッティ氏が慰問に加わるのを知った後、もう1週間刑務所にとどまることを決断。予定通り出所させるなら、刑務所に戻されるように何か馬鹿なことをしでかすとも述べていたという。
男性は公開書簡も残しており、「私が今後、さらに100年間生き続けたとしても、トッティ(氏)と一緒に写真撮影出来る機会は再びないだろう」とも記していた。
ストライカーなどを務めたトッティ氏は同国1部リーグ(セリエA)所属のクラブ「ローマ」一筋にプレーし、出場は15年間で786試合に達する。その才能やローマへの忠誠心が人気を集め、イタリアを代表する選手の1人ともなっていた。