うっかり座ったら罰金6万円? 観光客に悩むベネチア市長が提案
(CNN) イタリア北部ベネチアのルイジ・ブルニャーロ市長はこのほど、指定外の場所で座った者に最大500ユーロ(約6万6000円)の罰金を科す案を議会に提出した。観光客の増大に対応する措置の一環。
ベネチアでは以前にもこうした提案が出ており、サンマルコ広場やリアルト橋といった観光スポットでは既に座ることが禁じられている。
ブルニャーロ氏の代理人はCNNの取材に、禁止令の文言は市議会で検討されている段階で、まだ確定していないと説明した。
ベネチアではこの夏、地元住民の生活への配慮を求める「#EnjoyRespectVenezia」と題したキャンペーンを全面展開しており、市長の提案もその一環。いずれも観光客の殺到に対抗するベネチアの姿勢を反映したものとなっている。
ベネチアを訪れる観光客に対しては他にも、右側歩行の指示や、橋の上で立ち止まることや自転車走行を禁止する指示が出ている。水着で歩き回ったり、ハトに餌をやったりすることも禁止だ。
5月には、連休中の週末に観光客と地元住民を切り離す措置も試みた。ブルニャーロ市長はこの時、観光客が大勢詰めかける事態を想定し、「人々の安全や治安、快適な生活を確保するための緊急対策」を導入していた。
ベネチアは世界有数の人気観光地で、その歴史ある狭い通りは非常に混雑する場合がある。当局者は観光客の流入増大で住民の生活環境などに支障が生じ、観光客の体験にも影響が出る事態を懸念している。