米劇場でナチス式礼賛叫んだ男性が謝罪、「あまりに不適切」
(CNN) 米ボルティモア市の劇場でミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」の幕あいに観客の男性が突じょ、「ハイル・ヒトラー(ヒトラー万歳)!。ハイル・トランプ!」とナチス式礼賛の言葉を叫び、場内が騒然となった問題で、叫びを発した男性が19日までに謝罪を表明した。
警察によって身元を特定されていたこの58歳の男性は、CNN系列局のWBALの取材に答え「発言はあまりに不適切なものだった。今になってそれがわかる」「あの時何を考えていたのかわからない。とても恥ずかしい」と述べた。
またWBALとサン紙に対し、自分は反トランプ派で、憎悪や差別に反対する人間だと説明。観劇していたミュージカルの内容からトランプ大統領の移民政策を思い起こしたことが、「誤った結果につながった」とし、「間違いでは済まされない」と反省の弁を口にした。
「屋根の上のバイオリン弾き」は、ロシア帝政時代に迫害されたユダヤ人家族の物語。米ピッツバーグにあるシナゴーグ(ユダヤ教会堂)では先月、11人が殺害される銃乱射事件が発生した。これ以降、米国内では反ユダヤ人の嫌がらせ行為などが急増している。
14日夜の上演に居合わせた観客の証言によると、騒ぎは最初の幕あいが約10分過ぎた際に発生。ナチス式礼賛の言葉が響いた後、動揺し、涙を流す客もいた。ユダヤ人家族も多くおり、おびえたような表情も見せていたという。
叫んだ男性はバルコニー席におり、警備員に連れ出された。この10分後に劇は再開されていた。男性の叫びに「家に帰れ、ナチス!」と他の客らが言い返したとの情報もある。