トルコ、NBA選手の国際手配を要請 テロ関与容疑で身柄引き渡し求める
(CNN) トルコ当局は17日までに、米バスケットボール協会(NBA)のニューヨーク・ニックスに所属する同国出身のエネス・カンター選手について、身柄引き渡しのための手配書を発行するよう国際刑事警察機構(ICPO)に要請した。国営アナトリア通信が報じた。
報道では、カンター選手に対してテロ組織の一員である疑いが浮上している。事情に詳しい当局者によれば、トルコが同選手をめぐってこうした要請を行うのは初めて。
ICPOはCNNの取材に対し、トルコから国際逮捕手配書の発行要請を受けたかどうか明らかにしなかった。ICPOのウェブサイトによると、現時点でカンター選手に対する手配書は発行されていない。
アナトリア通信は、トルコ検察のテロ・組織犯罪対策部門が国際逮捕手配書の発行要請を準備したと説明。検察は理由として、カンター選手と米国在住のイスラム教指導者、ギュレン師とのつながりに言及したという。
ギュレン師は、未遂に終わった2016年のクーデターを主導したとしてトルコのエルドアン大統領から非難されている人物。ギュレン師本人はクーデターへの関与を否定している。
カンター選手は報道を受け、ツイッターに投稿。「トルコ政府に私の悪事を証明できるはずがない。証拠など何一つ出せるわけがない。私は米国で、駐車違反の切符さえ切られたことはない(事実)。いつだって法律に従って暮らしている」と強調した。
エルドアン大統領に批判的な立場を取るカンター選手は先ごろ、暗殺の恐れがあるとしてチームの英国遠征に帯同しない考えを示し、物議を醸していた。