難民のサッカー選手を解放、バーレーンの送還要請取り下げで タイ
バンコク(CNN) タイの当局は11日、難民認定を受け同国で拘束されていたバーレーン出身のサッカー選手、ハキーム・アライビ氏(25)を解放した。バーレーンへの送還手続きを取り下げる要請が裁判所によって認められた。
アライビ氏は昨年11月、新婚旅行で訪れていたタイで、バーレーン政府の要請により逮捕、拘束された。同政府への批判的な言動で知られる同氏に対しては2014年、本人不在の中で警察施設への破壊行為の罪に対する禁錮10年の判決が下されていた。
17年にオーストラリアへ渡ったアライビ氏は同国で難民申請を行い承認された。現在はサッカー選手として、南東部メルボルンに本拠を置くセミプロのチームに所属している。
今月4日、拘束中にCNNのインタビューに答えたアライビ氏は、タイ当局によってバーレーンに送還されれば拷問を受けて殺されるだろうと語っていた。これらの報道を受け、アライビ氏の解放を求める声が世界的に広がった。
国際サッカー連盟(FIFA)はタイのプラユット首相に書簡を送り、アライビ氏を解放するようアピール。先週には豪サッカー協会が、タイで行われる予定だった23歳以下の男子代表チームの合宿をキャンセルする形でアライビ氏への支援を表明した。
解放を受けてアライビ氏は、バンコクの国際空港に移動した。ここからメルボルン行きの飛行機に乗るとみられる。
バーレーン外務省は声明を出し、送還要請を取り下げたもののアライビ氏への有罪判決は依然として効力を持つと主張。国家として「アライビ氏に対し、必要なあらゆる法的措置を講じる権利を有することを改めて確認する」と述べた。