視覚障害の男性と盲導犬、NYCハーフマラソンに初参加
(CNN) 米ニューヨーク市で17日に実施されるハーフマラソン大会に目の不自由な男性のトーマス・パネックさんと盲導犬3匹が参加することになった。
視覚障害を持つランナーが盲導犬と共に同大会に出場するのは初めて。動物の参加自体も初めてとなっている。ラブラドルレトリバーの3匹は今回、距離13.1マイル(約21キロ)のコースでパネックさんに交代で伴走する。
パネックさんはニューヨーク州の過去数十年間にわたり視覚障害者のための盲導犬を育てる公認済みの非営利機関の学校を運営。
昔から大のランニング好きで、20代初期に視力を失った後にもやめなかった。以降でボランティアの手助けを受けマラソンを20回完走した。
ただ、自立しての達成感に欠けることからランニングもこなせる盲導犬の訓練を思い付いた。この着想について「私も犬も走るのが好き。世間一般の通念を覆しただけ」と振り返っている。
この種の訓練事業は初の試みで、2015年に開始。訓練を終えた犬はこれまで24匹で、12匹が今なお受けている。訓練が終了した場合、同校がそれぞれの犬と引き取りの希望者との組み合わせや人間と犬のチームとしての一体感づくりの訓練などを無料で申し出ている。
ランニングもこなす盲導犬には相応の体力と規律順守が厳しく求められ、訓練事業に残るのはごく少数の犬だけ。伴走では、市中の騒音や注意をそらす出来事に襲われながらも、地面の起伏、階段の有無、曲がり角などを警戒し視覚障害者に伝えなければならない。
パネックさんは盲導犬と一緒の今回のハーフマラソン参加が視覚障害などを持つ他の人々を勇気づけ、新たな行動の1歩を踏み出すことを願っている。