ウェイン・ルーニー、新型コロナへの対応批判 「選手をモルモット扱い」
(CNN) サッカーの元イングランド代表で、プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドでも活躍したウェイン・ルーニー選手が、欧州で猛威を振るう新型コロナウイルスの対応をめぐり、英政府やサッカー界の統括団体に向けて批判の声を上げた。感染のリスクがあるにもかかわらず試合中止を即断せず、結果的に選手の健康を危険にさらしたとしている。
現在イングランド2部のダービー・カウンティーでプレーヤー兼コーチを務めるルーニー選手は、15日付のサンデー・タイムズ紙に寄稿したコラムで、イングランドでのリーグ戦を統括する団体について、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う今シーズンの中断をもっと早く発表するべきだったとの認識を示した。
先週末予定されていたプレミアリーグをはじめとするイングランドのリーグ戦の各試合は、13日に中止が発表された。それに先駆け、アーセナルのミケル・アルテタ監督とチェルシーのフォワード、カラム・ハドソンオドイ選手に相次いでウイルスの陽性反応が出ていた。
ルーニー選手はコラムの中で、「なぜ金曜まで待ったのか? なぜアルテタ監督の具合が悪くなるまでイングランドのサッカー界は正しい判断を下さなかったのか?」「選手とスタッフ、そして彼らの家族にとっては不安な一週間だった。政府、サッカー協会(FA)、プレミアリーグからはリーダーシップが感じられなかった」と指摘した。
そのうえで「緊急会議を開いてようやく正しい判断が下されたが、それまでの対応ときたら、イングランドのサッカー選手をモルモット扱いするのかと感じるくらいだった」「もし自分が安全じゃない状況でプレーさせられて家族にまでウイルスが感染し、重症化したら、再びプレーするべきなのか真剣に考えなくてはならなくなるだろう。当局のことを許せないと思うはずだ」とつづった。
ルーニー選手はまた、財政面の影響を考慮したことで試合中止の判断が遅れたとする見解も示唆。ほかのスポーツが軒並み競技を中止する中、イングランドのサッカーだけはなかなか中止に踏み切らなかったとして、「金銭的な利益が絡んでいるのではないかと、多くの選手が思っているだろう」と付け加えた。