英サッカー選手、試合抜け出しトイレ直行 事後は戻って勝利に貢献
(CNN) サッカーの英イングランド・プレミアリーグの試合中、選手の1人がピッチを出てロッカールームのトイレに行き、用を済ませてから再びプレーを続ける出来事があった。急を要する状況下で、やむを得ず取った行動だったとしている。
「緊急事態」は、9月29日に行われたリーグカップのトットナム・ ホットスパー対チェルシーの試合で起きた。チェルシーの1点リードで迎えた後半途中、トットナムのミッドフィルダー、エリック・ダイアー選手が突如ピッチを後にし、ロッカールームのトイレに直行。同選手が戻るまでの数分間、トットナムは1人少ない人数で戦うことを余儀なくされた。
チェルシーに追加点を奪われかねない状況で、トットナムのジョゼ・モウリーニョ監督はトイレのドアの前へ行き、ダイアー選手になるべく早くプレーに戻るよう「プレッシャーをかけなければ」ならなかった。
幸いチームはダイアー選手不在の間も無失点でしのぎ切り、終盤の同点ゴールで引き分けに持ち込むことに成功。その後のペナルティーキック(PK)戦を制して、トーナメントの準々決勝に進んだ。
ダイアー選手は試合後、プレーの途中でトイレに行ったのは「初めてだ」と説明。「ただ、どうしようもなかった。行かなきゃならないときは行くしかない」と語った。そのうえで、自分がいない間にチェルシーがゴールを挙げていなくてよかったと付け加えた。
PKもしっかり成功させたダイアー選手は、この試合で最も活躍した「マン・オブ・ザ・マッチ」に選ばれた。本人はその後、ロッカールームのトイレの写真をSNSに投稿。「真のマン・オブ・ザ・マッチ」とのコメントを書き込んだ。
モウリーニョ監督は、この試合を含む中1日の2試合でフル出場を果たしたダイアー選手への称賛を惜しまなかった。その一方で、チームが過密日程を強いられているとして、運営側への不満をにじませた。
トットナムは1日にも、欧州サッカー連盟(UEFA)ヨーロッパ・リーグ(EL)の試合で、イスラエルのマッカビ・ファイファと対戦する予定。モウリーニョ監督は、この試合ではダイアー選手を休ませる考えを示唆した。