セリーナ、大坂選手を「抱きしめてあげたい」 大会棄権に反響
(CNN) 女子テニスの大坂なおみ選手が全仏オープンで記者会見を拒否し、大会を棄権した決断について、ライバルのセリーナ・ウィリアムズ選手(米)は「抱きしめてあげたい」と共感を示した。ほかのスポーツ選手たちからも応援の声が寄せられている。
ウィリアムズ選手は試合後の会見で、大坂選手への気持ちは「共感しかない」と語り、「彼女を抱きしめてあげられたらと思う。その気持ちが分かるから。私にも覚えがある」と続けた。
陸上のウサイン・ボルト元選手(ジャマイカ)、バスケットボールのカイリー・アービング選手(米)も、大坂選手のインスタグラム投稿に応援のコメントを寄せた。
同じ女子テニスでは、ビーナス・ウィリアム選手(米)が「よくやったと思う」と称賛し、「自分を大切にして。早くまた勝つ姿を見せて」と書き込んだ。
ビクトリア・アザレンカ選手(ベラルーシ)は「報道陣と選手とトーナメントは協力関係にある」と主張したうえで、報道陣がもっと思いやりを示すべき場面も見てきたと述べた。
ソフィア・ケニン選手(米)は若くして注目を集める立場の重圧を認める一方、それが自分の選んだ道だと強調し、「外部やスポンサー、みんなからの期待はある。何とかやっていくしかない」とコメントした。
ジョギング中に撃たれて死亡した黒人男性アフマド・アーベリーさんの名前の入ったマスクを着用する大阪選手=2020年/Al Bello/Getty Images
大坂選手の決断は、スポーツ選手とメディアの関係をめぐる議論も巻き起こした。英紙ガーディアンのジョナサン・リュー記者は、記者会見がアスリートをあざけり、食い物にする場になっていると指摘した。
一方、豪紙オーストラリアンのウィル・スワントン記者は、大坂選手の「未熟さ、尊大さと偽善には言葉を失う」と書き、同選手が差別問題で声を上げるよう周囲に呼び掛けながら、自身は口を閉ざしたと批判した。