東京五輪の選手村で初のコロナ陽性、海外からの訪問者
東京(CNN) 東京オリンピック(五輪)の大会組織委員会は17日、選手村に滞在する海外からの訪問者1人が新型コロナウイルス検査で陽性と判定されたと明らかにした。大会が感染急拡大を引き起こす「スーパースプレッダー・イベント」になる可能性が懸念されるなか、選手村で初めて陽性が確認された。
組織委員会の武藤敏郎事務総長は記者会見で、大会開催に関わる国内非居住者1人が検査で陽性と判定され、選手村の外で隔離されたと説明。この人物の国籍については、プラバシー面の懸念を理由に明かさなかった。
大会との関連が指摘される新型コロナウイルス感染者はこれで計45人となった。これまでに選手や大会関係者、委託業者の陽性が判明している。
東京五輪はかねて議論の対象になってきた。日本は23日の開会式を前に感染抑制に苦慮しており、このまま大会を実行しても安全かどうか疑問視する声が絶えない。
大会主催者はすでに3月の時点で海外からの観客の禁止を決定していたが、組織委員会は今月、東京都が緊急事態宣言下にあることを理由に、東京の会場に観客を入れない方針を示した。
テニスのニック・キリオス選手(オーストラリア)やバスケットボールのリズ・キャンベージ選手(同)を含め、一部の選手は大会欠場を表明している。
新規感染者が再び増加し、海外からの訪問者の流入で大会がスーパースプレッダー・イベントになる可能性があるとの懸念が浮上するなか、国民の五輪に対する熱意は高まっていない。感染拡大が起きれば、既にひっ迫した日本の医療制度をさらに圧迫する可能性もある。