新型コロナが影を落とした東京2020、選手たちの輝きに期待
陸上競技では、東京に向けて400メートル障害のカールステン・ウォーホーム、砲丸投げのライアン・クラウザーなどが相次ぎ世界新記録をマーク。1万メートルのレテセンベト・ギデイはシファン・ハッサンが2日前に出した世界記録を更新した。
今大会ではスケートボード、空手、スポーツクライミング、サーフィンが新種目として加わり、野球とソフトボールが復活する。
オリンピック史上前例がない無観客開催は全競技の97%に及ぶ。代わりにオンラインでの応援や、ファンが自撮り写真やメッセージを送信できる画面が使われる。
サントリーホールディングスの新浪剛史社長はCNN Businessの取材に対し、無観客開催は「巨額の」経済損失につながると予想。井谷氏は大会が日本に「何十億ドルもの」負債を残すと警告した。
選手たちは検査の繰り返しや観客のいない会場といった対策に慣れつつあるが、この状況は全ての選手にさまざまな影響を与えそうだ。
2004年オリンピックの女子4×100mメドレーリレーで銀メダルを獲得したセル氏は言う。「アスリートにとって大切なのは、自分のルーティンと自分のプロセスを守ること」「調子が乱れることはあるだろう。無観客に違和感を感じる人は多いかもしれないが、単純に気が散らず、自分のことに集中できるという人もいるかもしれない。どうなるかは見てみないと分からない」
今回のオリンピックには出場しない有名選手もいる。テニスのロジャー・フェデラーとラファエル・ナダルはけがのために欠場し、ココ・ガフは東京へ出発する前に陽性反応が出て辞退、セリーナ・ウィリアムズは出場しないことを決めた。
野球やソフトボール、サッカー、射撃など一部の競技は、開会式の前から試合が始まっている。
ここに至るまではトラブルまみれのオリンピックだった。だがこれからの16日間は、選手たちの輝きに期待が集まる。