金メダリストは数学者、キーゼンホファー選手が五輪史上最大級の番狂わせ
心理的な強み
優秀な研究者から五輪金メダリストになったキーゼンホファー選手は、常に自分の考えを持って歩んできた。
2017年以降はプロの自転車チームに所属していない。これは自分の意思で下した決断だ。
キーゼンホファー選手は過去のコーチから学んだことは認めつつ、基本的には「コーチの教えを受けるのは性に合わなかった」「私は独立しているのが好き。練習の計画やレースなど、自分のことは自分で決めたい。独りで闘うのが私のアプローチ」と語る。
物理的なサポートが欠けている分は、知的能力を活用することで補っている。
英ケンブリッジ大で数学の修士号、スペインのカタルーニャ工科大学で応用数学の博士号を取得したキーゼンホファー選手は、練習や栄養摂取、レースの戦略について綿密に計画を練る。
「数学者として自力で問題を解くことには慣れているので、自転車競技にもそうやって取り組んでいる」