「パワーリフティングに救われた」 女子世界記録の米選手
パワーリフティング人生に今も大きな影響を及ぼしているのは、19年に亡くなった祖母だ。ウォルコットさんが育ったカリブ海の島で料理人をしていた。豪快で気前の良い性格だったという。
祖母の思い出にはいつも勇気づけられてきた。デッドリフトで225キロがどうしても挙げられずに1年ほど苦しんだ時も、祖母が亡くなってから2カ月ほどのある日、祖母のためにやろうと心に決めたら、なぜか成功したという。
パワーリフティングはウォルコットさんに人生の目的と自信を与えてくれた。今は毎日4.5リットルの水を飲み、十分な睡眠時間を確保するようにしている。子育てとフルタイムの仕事をしながらの生活は大変だが、深夜にジムでトレーニングをしたり、暇を見つけて仮眠を取ったりとやりくりしている。
今コーチと話しているのは、スクワットで700ポンド(約320キロ)、ベンチプレスで400ポンド(約180キロ)、デッドリフトで700ポンドを挙げるという「747」の目標だ。これまでも常に自分で目標を設定し、それを越えてきた。
ウォルコットさんは自分自身のために、内なる声に駆り立てられて競技に取り組む。「これは私と私自身の戦い。1日ごとにより良い自分になることを自分に課す。そんな側面がとても楽しい」と話している。