米ネットフリックス、創業者が共同CEOを退任
ニューヨーク(CNN) 米動画配信大手ネットフリックスは19日、創業者のリード・ヘイスティングス共同最高経営責任者(CEO)が退任し、会長に就任すると発表した。今後はテッド・サランドス氏とグレッグ・ピーターズ氏が共同CEOを務める体制になる。
ヘイスティングス氏はブログで、「取締役会は何年も後継計画について協議してきた」と説明。その一環で2020年7月にサランドス氏を共同CEO、ピーターズ氏を最高執行責任者(COO)に昇格させ、この2年半の間に両氏に経営を委ねてきたと明らかにした。
ヘイスティングス氏は1997年にネットフリックスを創業。まずDVDの郵送ビジネスを手掛けた後、動画のストリーミング配信サービスに移行し、家庭での映画や番組の視聴方法に変革をもたらした。
ヘイスティングス氏のかじ取りの下、ネットフリックスはブロックバスターのような従来型のレンタルビデオ会社を破たんに追い込んだ。同社が独自コンテンツへの投資競争に火を付けたことで、ハリウッド再編のきっかけにもなった。
ただ、競合ストリーミングサービスとの競争が激化する中で、会員が減少。昨年は株価や評判が打撃を受けた。ネットフリックスは対策として、低価格の広告付きプランを初めて導入した。
こうした転換が功を奏している可能性がある。ネットフリックスは19日の決算発表で、2022年10~12月期の会員数の伸びが予想の450万人を大きく上回る760万人に達したと説明。有料会員数の合計が世界全体で2億3000万人を超えたと明らかにした。
同期の売上高は78億ドル(約1兆円)と、前年から1.9%の伸びにとどまったものの、おおむね金融アナリストの予想通りだった。