イランの重量挙げ選手に永久追放処分 イスラエル選手との握手で
アブダビ(CNN) イランのプロの重量挙げ選手に対してこのほど、競技から永久追放する処分が下った。同選手はこれに先駆け、国際試合の最中にイスラエルの選手と握手を交わしていた。イランの国営メディアが明らかにした。
36歳のモスタファ・ラジャイー選手は今週、ポーランドで開催された国際大会でイスラエルのマクシム・スビルスキー選手と握手を交わし、共に写真に収まった。その様子を撮影した動画をイラン国営通信(IRNA)が8月30日に公開した。
ラジャイー選手は同大会で銀メダルを獲得したが、その後あらゆる競技から永久追放された。イランの重量挙げ競技連盟のトップは、原因となった同選手の行動について「受け入れられず、許し難い」と形容している。
別の報道によると、大会遠征の責任者もその地位から更迭された。
大会後、ラジャイー選手はインスタグラムに投稿し、今回の成績を出す過程で支えてくれた人々への感謝を表明した。しかしスビルスキー選手との握手やその後の処分にはコメントしなかった。
イランはイスラエルを国と認めておらず、一定の間隔で敵対的な声明を発している。一方、イランのスポーツ選手は長年にわたり政府によってイスラエルの選手と競技するのを禁じられている。
国際柔道連盟は2021年、イラン柔道連盟に対し4年間の資格停止処分を科した。男子81キロ級で元王者のサイード・モラエイ選手に対し、イスラエルの選手との対戦を避けるため19年の世界選手権を辞退するよう指示が出ていたことが明らかになったからだ。同選手権でモラエイ選手は、決勝へ進めばイスラエルの選手と対戦する形となっていた。結果的に準決勝でベルギーの選手に敗れたが、本人はそれまで2度辞退するよう指示を受けたと主張した。
指示に従わず出場したモラエイ選手は大会終了後、ドイツに渡り難民申請した。
20年には国際チェス連盟もイランのチェス連盟に対し、イスラエルの選手との対戦について立場を表明するよう通告した。イランの選手がイスラエルの選手との競技を相次いで拒否していたことを受けての措置だった。