香港の女性記者、北京出張後に行方不明 国際団体が懸念表明
香港(CNN) 香港の女性記者、陳敏莉(ミニー・チャン)氏が10月末に中国の北京に出張した後、行方不明になっている。国際NGO「国境なき記者団(RSF)」は4日の声明で「多大な懸念」を表明し、中国当局に情報公開を求めた。
日本のメディアは11月30日、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)で安全保障と外交を担当する陳氏について、北京で開かれた安保関連のフォーラムの取材に行った後、連絡が取れなくなったと報じた。
また事情を知る関係者の話として、陳氏が中国当局の捜査対象になっている可能性を指摘した。
一方、SCMPは声明で、陳氏が休暇を取っていると説明。家族から、本人は北京にいるが私的な問題の処理に時間がかかっていると説明があったと述べた。家族は陳氏の無事を伝えたうえで、プライバシーの尊重を求めているという。同紙は引き続き家族と連絡を取り、あらゆる支援を提供するとの方針を示した。
中国外務省の報道官は先週の定例会見で、陳氏をめぐる報道について質問を受け、その件は把握していないと答えた。
RSFは中国当局に対して、陳氏の居場所を公開し、拘束されている場合はただちに解放の手続きを取るよう呼び掛けた。
米NPO「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」も1日、中国当局に居場所の公表と安全の保証を求めた。
香港記者協会も陳氏の安全に「深い懸念」を示し、SCMPに詳細情報の提供を求めていると述べた。
陳氏は中国軍などに関する報道で香港内外から高い評価を受けてきた。2005年からSCMPに所属している。