トルコの控えめな射撃選手、パリ五輪で銀獲得 装備つけずポケットに手

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競技中のトルコのユスフ・ディケッチ選手(51)=30日/Alain Jocard/AFP/Getty Images

競技中のトルコのユスフ・ディケッチ選手(51)=30日/Alain Jocard/AFP/Getty Images

(CNN) 参加者が手に入るあらゆる装備を駆使して優位に立とうとする五輪。だが、トルコのユスフ・ディケッチ選手(51)は先月30日の混合エアピストルで肩の力の抜けた達人ぶりを披露し、話題をさらった。

対戦相手が片目の視野を覆う専用眼鏡や大きな耳当て、カラーレンズなどの専用装備を身に着けて競技に臨む中、ディケッチ選手は普段使い風の眼鏡をかけ、片手をポケットに突っ込んだまま、ペアを組む選手と共にトルコ初となる五輪射撃競技のメダルを獲得した。

ディケッチ選手はトルコのラジオ局に対し、「大半の射撃選手は片目で撃つが、私は両目で撃つ。だからああいった装備はいらない。両目で撃つ方がいいと思っている。これについては多くの調査を行ったので、装備は必要なかった」と振り返った。

さらに「ポケットに手を入れて撃つのは芸術性とは関係ない。その方が射撃中のモチベーションが上がり、快適に感じられる」と説明。この姿勢は「体のバランスを取って、集中・専念する」ためだとも語った。

ディケッチ選手の写真が拡散したのは、五輪射撃で人気急上昇中のキム・イェジ選手の写真との比較によるところが大きい。キム選手のキャップや近未来的な眼鏡、落ち着き払った様子は、ストリートスタイルに触発されたファッションショーに出ても場違いではないほどだった。

キム選手は28日に行われた10メートルエアピストルで銀メダルを獲得し、チームメートのオ・イェジン選手(19)が金メダルに輝いた。

SNSのユーザーの1人はディケッチ選手について、「トップの自信。ポケットに突っ込んだ手。専用レンズは使用しなくても問題なし。彼にとっては朝飯前だ」とコメント。

別のユーザーもディケッチ選手の「途方もないオーラ」を称賛。メキシコメディアは「51歳の彼はまるで自宅の中庭にいるかのような様子で五輪の競技に臨んだ!」と報じた。

銀メダル獲得後、ディケッチ選手は「とても幸せ。五輪のメダルはやはり五輪のメダル。(2028年五輪が行われる)ロサンゼルスでは金メダルだといいね」と語った。

射撃の腕前だけにとどまらず、ディケッチ選手の「猫好き」ぶりもファンを魅了している。この写真はインスタグラムのページを調べたファンが見つけたものだ。

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