中国のドーピング疑惑、パリ五輪競泳に落とす影

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パリ五輪で女子200メートルバタフライに臨む張雨霏=7月31日/François-Xavier Marit/AFP/Getty Images

パリ五輪で女子200メートルバタフライに臨む張雨霏=7月31日/François-Xavier Marit/AFP/Getty Images

(CNN) 中国のスター競泳選手、張雨霏はパリ五輪が始まってから72時間ですでに二つの銅メダルを獲得した。しかし、中国で「バタフライの女王」と呼ばれる張の勝利には、大勢のファンやスポーツ界から厳しい視線が向けられている。

張を含め、2021年の東京五輪に参加した中国競泳選手のほぼ半数が大会の数カ月前に禁止薬物の検査で陽性反応を示したことが発覚し、中国チームは国際スポーツ界を揺るがす論争の渦中にいる。

中国反ドーピング機関(CHINADA)は、禁止されている心臓薬トリメタジジンの陽性反応は、ホテルのレストランで汚染された結果である可能性が高いと判断。選手らは大会への出場を認められた。世界反ドーピング機関(WADA)も申し立てすることなく容認した。

しかし、米紙ニューヨーク・タイムズなどがこの状況を4月に初めて報じたことで、競泳界の反発を招いている。競泳界ではドーピング規則に違反した選手は何年も出場停止になる可能性がある。ニューヨーク・タイムズは、張選手が当時陽性反応を示した競泳選手の1人だと伝えた。

21年の事態が明るみに出てから、著名なアスリートたちは反ドーピング体制に対する懸念を表明している。米国反ドーピング機関の責任者はWADAが隠蔽(いんぺい)したとし、今週初めにはWADAの失態がオリンピックに「影を落とした」と非難した。米国政府は個別に刑事捜査を進めている。

深刻化する論争

中国のアスリートにかかるプレッシャーは明らかだ。

先週末から競技が始まると、張は記者団に対し、他の選手が自分を「色眼鏡」で見て、自分と競うことを嫌がるのではないかと「深く憂慮している」と語った。とても不当な扱いを受けたと感じており、中国の競泳選手はドーピングに関与していないとも話した。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、同紙が今週初めに報じた22年の別の事案は、パリ大会に参加する中国競泳選手に関するものだ。

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