中国のドーピング疑惑、パリ五輪競泳に落とす影
WADAは声明で、この事案を徹底的に調査したと発表。今年初めに他の競技の中国人選手の2件の陽性反応と関連付けた上で、陽性反応の原因が汚染された肉だったとする中国の調査結果に異議を唱える「証拠はない」と結論付けた。中国当局は検査した肉の標本からステロイドが見つかったと指摘していた。
同機関は「超大国間の地政学的緊張に不当に巻き込まれた」とも述べた。米国と同国の反ドーピング機関から受けた反発を指しているとみられる。
こうした最近の状況も受け、反ドーピング体制の透明性に対する懸念は渦巻き続けている。
圧力にさらされる
競泳チームが長年オリンピックでの栄光の源となってきた中国では、怒りと不当な扱いに対する非難が巻き起こっている。
中国のSNSは週末、張への支援であふれかえった。
あるSNSユーザーは「大きなプレッシャーがあったにもかかわらず、メダルを獲得できたことは最高の結果だ」「これは、西側諸国からの包囲と抑圧に直面する中国の継続的な成長と復活を反映している」と投稿し、最近の論争は米国が仕組んだものだとする多くのユーザーと同様の見方を示した。
中国での怒りの原因は、パリで中国競泳チームが直面した監視だ。
世界水泳連盟は先ごろ、21年の事案が同団体の反ドーピング体制に対する競泳界の信頼を「低下させた」ことを認め、「パリ五輪に参加する中国選手を含む」特定の選手を他の選手よりも頻繁に検査することを約束した。
同連盟は先週、中国の競泳選手は年初以来、1人あたり平均21回検査を受けていると明らかにした。オーストラリアの競泳選手は平均4回、米国は6回だ。
男子100メートル自由形で金メダルを獲得した中国の潘展楽は、過去数カ月間に20回以上検査を受けたが、自分のパフォーマンスに違いや影響はなかったと感じていると述べた。
一方で、中国では検査体制がチームに悪影響を及ぼしているとの声もある。
オリンピックの飛び込みで2度金メダルを獲得している高敏氏は先月29日、張の銅メダルと覃海洋の男子100メートル平泳ぎ7位を引き合いに、1日に7回のドーピング検査が中国競泳チームをじゃましたのではないかと思うとSNSに投稿した。
CNNはSNS上で、中国水泳代表チームの栄養士がフランス到着後、チームが200回近くの検査を受けたと主張する投稿も目にした。この投稿は削除される前に拡散した。
関連ハッシュタグは9000万回近く閲覧され、中国のメダル獲得を妨害する陰謀を主張するコメントさえ散見される。
WADAの当局者は先週、中国国営メディアの記者から検査体制について質問されると、中国の競泳選手は「何度も検査を受けたことを証明できることを喜ぶべきであり、彼らに対する誤った主張が反証されることを願う」と述べた。