映画撮影中に「狙われた」、ガイ・ピアースの主張にケビン・スペイシーが反論
(CNN) 米俳優ケビン・スペイシーが、かつての共演者ガイ・ピアースの発したコメントに反応している。ピアースは最近、1997年のヒット映画「L.A.コンフィデンシャル」の撮影中にスペイシーから「狙われた」と明かしていた。
「我々が共演したのはもうずっと昔の話だ。仮に当時、私のしたことであなたが動揺したなら、その時私に訴えることができただろう。二人でそれについて話し合えただろう」。スペイシーはX(旧ツイッター)に投稿した動画でピアースに直接そう語りかけた。
スペイシーによれば、ピアースのコメントを受けてメディアが自身に接触し、反応を求めているという。動画でスペイシーは「本当に私の反応が知りたいのか?」とピアースに尋ね、「大人になれ」と告げた。
スペイシーが言及したピアースのコメントは、芸能誌ハリウッド・リポーターのポッドキャストで配信された新たなエピソードから飛び出した。その中でピアースは司会者からスペイシーと共演した経験について尋ねられた。スペイシーは2017年から複数の性的不品行で告発されたが、本人はそれらを全て否定している。
ピアースはスペイシーとの共演が「満足できる経験」ではなかったことは周囲も知るところであり、自分もそれについて多少公言してきたと回答。「被害者」という言葉は使いたくないが、実際ある程度には被害者だっただろうと述べた。ただ性的搾取に遭った人々と同じ意味での被害者では全くないと強調した。
ピアースによると、スペイシーと仕事をする間は感情を「取り払い」、気持ちを「無」にしていたという。
「5カ月間そうして過ごした。実際、ケビンを恐れているようなところがあった。彼はかなり積極的な人物で、並外れた魅力があり、演技も素晴らしいから」とピアース。そんなスペイシーに対して自分は若く、影響を受けやすい状態にあった。「だから彼に狙われた。疑問の余地はない」と続けた。
スペイシーは動画で、撮影終了から約1年後、ピアースがジョージア州サバナにいる自分を訪ね、共に過ごしたと明かした。当時スペイシーは現地で映画「真夜中のサバナ」の撮影に臨んでいた。
スペイシーはピアースに対し、「そのことも記者に話したのか? それともあなたの言う被害者のストーリーにはそぐわないか?」と問いかけた。その上で、自分と過ごしたくないその心中を察することができなかったのは謝ると述べつつ、ピアースがそれを好まないのは別の理由があったからだろうと指摘。自分がピアースに変な気を起こしていたなどという話は全く意味が分からないと主張した。
CNNはスペイシー本人とピアースの代理人にそれぞれ連絡を取り、コメントを求めた。
ポッドキャストでは、ピアースがスペイシーに対する告発の報道に触れた当時の心境を思い出し、声を詰まらせる一幕もあった。「L.A.コンフィデンシャル」撮影中の自分に起きていたことの意味を理解して衝撃を受け、涙が止まらなかったという。
一方のスペイシーは「何も隠すことはない」とし、「Xでの生配信で」話をしようとピアースに呼び掛けた。
スペイシーを巡っては17年、1986年にパーティーで同席した俳優が性的な関係を求められたとの訴えを起こした。この俳優は当時14歳、スペイシーは26歳だった。
訴訟は2022年に退けられたが、その後もスペイシーを相手取った性的虐待の告発が相次いだ。スペイシーはいかなる不品行、違法行為も否定している。
23年、英ロンドンの裁判所は、スペイシーに対し性的暴行などの全ての罪状で無罪を言い渡した。