スマホやSNSは当たり前 「デジタルネイティブ」が住む新世界とは
新常識
今日、人との付き合いのためにはソーシャルメディアを巧みに利用しなければならなくなっている。デジタルネイティブにとってこれは当たり前だが、デジタル移民にはかなり困難で、いわば全く新しい言語を覚えるようなものだ。
プレンスキー氏は、ペトレイアス前CIA(米中央情報局)長官の不倫がFBI(米連邦捜査局)によるメールの暴露で明るみになったケースを、電子メールなどのプライバシーが自動的に守られると信じるデジタル移民による「愚行」の例として挙げる。
人は変化には本能的に的確に適応出来るが、若者とは違って年を取った人は変化への適応にはより苦労するだろうともプレンスキー氏は述べている。
デジタルがもたらす貧富の格差
IT製品・インフラが世界中に広まる中で、関連する知識や環境の格差が新たに貧富の格差を生み出しつつある。
インターネットやその社会的影響について調査・提言を行っているインドのNGO(非政府組織)のディレクターであるニシャント・シャー氏は、世代によりデジタルネイティブとデジタル移民に区分するプレンスキー氏の考え方は、発展途上国には必ずしも当てはまらないと指摘。ITに関する環境や知識の差が新たな階級制度が生み出すことを懸念している。
世界銀行によれば、インドでは人口の3分の2以上が1日当たり2ドル(約160円)未満で暮らしている。しかし、国連の調査によれば、人口の半分以上が携帯電話を保有する一方、トイレのある住宅に住んでいるのは人口の半分に満たない。