ソーシャルメディアが人を「正直者」にする理由
(CNN) 英有名作家のR・J・エロリーがインターネット上で他人になりすまして自分の作品を称賛していたことが発覚するなど、テクノロジーを使ったごまかしが話題になる昨今。日常生活のあらゆる場面にIT技術が浸透する中、ネットでうそをついているのは有名人に限らない。
事実に反して「今そっちに向かっている」と答えたり、すぐに返信する気が起きなかったメールについて、「ごめん、今届いた」と言い訳したり――。常時接続の世界の中で、自分に向けられた関心をさばきながら社会的関係を保つため、そんなうそをつくのは日常茶飯事になっている。
自分自身の実績を称賛する論評やコメントの投稿というごまかしが可能なのは、どんな人物にもなりすませてしまうインターネットの性質による。ただし、うそがばれた時には大きな代償を伴いかねない。
この現象が大規模になると、例えば中国で大勢のオンラインライターが少額の報酬を受け取って意見や論評を執筆したり、北米で特定の団体が報酬と引き換えに人々に自分たちの意見を支持させて、あたかも草の根運動のように装うといった行為に発展する。
本稿はコーネル大学の准教授、ジェフリー・ハンコック氏による特別寄稿です。