ソーシャルメディアが人を「正直者」にする理由
そして今、平均的な北米人が1日分のメールに書く単語の数は、有史以来ほとんどの人類が生涯をかけて書き記してきた数を上回る。うそをつくという行為にとって、この意味は大きい。電子メールや携帯メール、ブログやフェイスブックのチャットは、半永久的な記録が残るからだ。
半面、研究者はこうした記録のおかげで、これまではほとんど見えなかった社会的行動が研究できるようになった。使われている文言をコンピューターで解析してパターンを見つけ出せば、うそを見抜くこともできる。例えばホテルについて論評する投稿を、実際に滞在した人が書いたのかどうかを見分けることも可能だ。
私たちは、その場限りの会話の時代と、デジタルの痕跡が残る時代との間で重大な変化の時を迎えている。この新しいコミュニケーションの時代に適応していく中で、人をだますという行為も、好むと好まざるとにかかわらず、確実に進化するだろう。うそつきの前途には、人類の前途と同様、大きな未来が広がっている。
本稿はコーネル大学の准教授、ジェフリー・ハンコック氏による特別寄稿です。