ソーシャルメディアで未来予測 金融危機予言した学者の次の挑戦
(CNN) 世界が金融危機に見舞われる3年前にそれを予言した英国の著名経済学者、ノリーナ・ハーツ氏は、「ツイッター」「フェイスブック」といったソーシャルメディアの投稿から未来を予測する研究に取り組んでいる。CNNは1日までに、英国で開かれた会議の場で同氏にインタビューした。
「テクノロジーが私たちの世界認識のあり方をどれほど変化させたかについて、数年前から強い関心を抱いてきた」というハーツ氏は、人間の行動について理解を深める手段としてのソーシャルメディアの威力を実証する実験を行っている。
「ソーシャルメディア上の発言に耳を傾けることによって予言や予想ができるかどうかを探ることは非常に興味深い。ツイッターやフェイスブックなどの発言に耳を傾けて政治的予想や売り上げ予想を向上させることができるとしたら、本当にエキサイティングだ」(同氏)
現在はコンピューター科学者と社会学者、経済学者がチームを組んで、英オーディション番組「Xファクター」の勝者を予想する手法の確立に取り組む。数十万ものツイートなどの投稿をまとめて分析し、数字やテーマだけでなく感情まで推測。毎週誰が脱落して誰が勝ち残るかを、これまで正確に予想してきた。その実績は「ブックメーカーをはるかに上回る」という。
従来の予想に使われてきたモデルは完璧とはほど遠いというのがハーツ氏の持論だ。中東のアナリストはアラブの春を予想できなかったし、同氏が著書「IOU:The Debt Threat」の中で3年前に予言した世界金融危機は、ほとんどの専門家が予測できなかった。